野菜ってやっぱり奥が深い…のかな?
最近、自然農法、自然栽培といえば、リンゴの木村さんがフィーチャーされることが多くなり、その近辺の方が著書を出したり、共著に参加したりすることも目立つ気がしますが、
今回の本の著者も、そんな木村さん近辺の方。なんでもかなり昔から自然栽培の野菜の販売を手掛け、木村さんとも親交が深い人のようです。
で、肝心のこの本の内容ですが、う〜ん、正直、この著者の方が自然栽培の野菜を愛しているのは分かります。分かりますが、本当のところはどうなんだろう?というのが本音です。
この本の中に出てくる「有機栽培の危険性」というのは、実際に各方面で言われている事実です。特に硝酸性窒素のお話は、確かに日本人が意識しないといけない問題だと思います。
ただ、全体を通してみると、なんだか「自然栽培はいいんだ!」という前提ありきで評価がされている印象で、科学的な見地から客観的に自然栽培の特長を論じている感じはあまりありません。
あとは、後半、「医者にもクスリにも頼らない!」という部分は、いくらなんでもちょっと言い過ぎなんじゃないかな〜と。
その点、前述のリンゴの木村さんが書いた『自然栽培ひとすじに』では、科学的根拠というか、こうするから肥料成分的にも自然栽培は実現可能、というところまで踏み込んでいて(…すでにちょっと記憶も曖昧ですが)、
この本の方が、読者としてはより納得感のある内容だったかな〜、と感じます。
あと、個人的に一番気になったのが「農薬の歴史を振り返ると」という部分。
レイチェル・カーソンの『沈黙の春』により、世界各地でDDTという農薬の使用が禁止された、というくだりがありましたが、
実は今、このレイチェル・カーソンによる指摘が、科学的に根拠のないものだったことが各方面で立証されるようになってきており、
この「DDT禁止」によって、マラリア感染による発展途上国での死者が、とんでもない数に及んでいることから、
「レイチェル・カーソンによる大虐殺」ぐらいにまで、相当なバッシングを受けているようです。
まあ、もちろん、農薬の危険性を指摘したという社会的な意義は大きなものがあったのは事実ですが、
農薬=危険という固定概念を一度リセットし、メリット・デメリットを冷静に判断した上で、適切な使用(または不使用)を心がける、というのが一番大切な気がします。
…といろいろ書いてはみましたが、個人的には、自然栽培の魅力に惹かれる1人であるのも事実。
昨日も「自己流自然栽培」で育てた、ラッカセイとサトイモをおいしくいただきました。
要は、できるだけ安全でおいしい野菜が食べたい。それに尽きるんですけどねぇ〜。