2012年04月04日

ぼくはお金を使わずに生きることにした。

なんだか、カバーがすごいんです(笑)

ぼくはお金を使わずに生きることにした [単行本] / マーク ボイル (著); 吉田 奈緒子 (翻訳); 紀伊國屋書店 (刊)

ぼくはお金を使わずに生きることにした [単行本] / マーク ボイル (著); 吉田 奈緒子 ...

表紙の画像だけを見ると、なんだかソッチ系の一冊のようですが、もちろんそうではありませんし、僕もそうではありません(笑)

…まあ、正直、リアルな本屋で購入する時、レジの担当が若い女の子だったりすると、ある意味エロ本よりイヤな感じはありますけど。

さて、冒頭からかなり横道にそれましたが、この本、『ぼくはお金を使わずに生きることにした』というタイトル通り、アイルランド生まれで、フリーエコノミー運動の創始者の青年が、実際にお金を使わない生活を過ごした1年間のルポです。

普段、私たちは「お金なしでは生きられない」と考えがちですが、この本では、お金市場主義というべき現代社会がいかにまやかしにあふれていて、実は「お金がなくても十分に豊かな暮らしができる」という現実を、いろんな角度から提示してくれます。

ただ、僕がこの本を読んで強く感じたのは、「お金がないことによる不便も、また多い」ということ。とりわけこの本の実験に関していえば、ネットで協力者を募るなど、現代社会が築き上げた技術やインフラを無料で有効活用しており、「お金が作る社会」の恩恵をまったく受けない生活は、実現不可能だろうし、合理的な選択ではないな、とも感じさせられました。

…まあ、こうした難しい主義、主張を抜きにしても、「ヒッチハイクのうまいやり方」、「キノコで紙を作る方法」など、楽しいコラムが満載で、単純に読み物としてもなかなか面白い一冊かと。

「お金とのほどよい距離感」について「楽しく考え、学べる」。そんな良書です!
posted by もっぴ at 19:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする