一般的に、化学肥料や農薬のたぐいは、消費者から相当に毛嫌いされる存在ですが、
最近では、有機栽培に使用された未熟堆肥の土壌汚染や、無農薬で育てることで野菜自体が虫を寄せ付けないように有毒物質を生成することが指摘されていて、
むしろ、化学肥料や農薬を、いかに適切に使うか、が重要だったりします。
とりわけタマネギの種については、冬場の降雪、春先の長雨が大敵で、天気予報とにらめっこしながら、雨の前後、どのタイミングでどんな病気に効く薬を使うのかが、栽培のキモです。
病気の発生を初期で防除できれば、それだけトータルの農薬量も抑えられるわけですし。
うちの農場では、生食用のタマネギは、規定よりもだいぶ少ない低農薬栽培をしてますし、別途、無農薬の野菜なんかも作っていますが、
「病気との戦い」といってもいい、タマネギの種については、この初期防除のための農薬散布を行っています。
というわけで、今後の長雨が予想される今日は、農薬を投入。
農薬が怖いのは、むしろ散布する農家への健康被害ですから、
防塵マスクやゴーグルをつけ、今日も全身完全防備で出動です。
こうした苦労の末に種ができ、それを使ってタマネギが生産され、そして消費者の方の食卓に届く。
そんな現実を伝えていくことも、フリーライター兼農家の僕ならではの仕事なのかな、なんて思います。