今やベストセラー作家のひとりですよね。でも…。。。
完全版 ビッグツリー〜自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて〜 [単行本] / 佐々木常夫 (著)...
最近メディア露出も多い、東レで同期中トップで取締役になった方の著書です。以前にも『そうか、君は課長になったのか。』とか、『働く君に贈る25の言葉』などの本を読んできまして、感銘を受ける部分もなかなか多くて、プロフィールを見ながら「世の中にはまだまだスゴイ人がいるもんだな〜」と、僭越ながら感心したものです。
で、手に取ったのがこの本。どうやら最初に著者が書いた一冊の焼き増しのようで。内容は、そんな感銘を受けた氏のプロフィールをもっと詳細に語った自伝本です。
まあ、とにかくすごい人生だと思いました。転勤6回、長男が自閉症、長女が自殺未遂、そして奥さんが43回の入院…。それで東レの取締役とは、本当に見事だと思います。
でも、僕がひねくれ者だからなのか、なんでしょう? この読後の違和感は。。。
今やワーク・ライフ・バランスの旗手としてもてはやされる御仁ですが、家族を襲った不幸はなんだか本人が家族を犠牲にして仕事をし続けてきたツケのような気がしてしまって。。。
本来であれば、家族がそうなる前にきちんとサポートするのが大切なわけで、大阪→東京→大阪…と、家族の大黒柱が転勤、単身赴任を続ければ、そりゃ奥さんもウツになるよ!なんて穿った見方も出来てしまったり。
本を読み進めていくうちに、本質的にもっとすごいのは、本になるような話題性はないけれど、普通に家族が平穏で、取締役まで上り詰めた人のような気がしてきてしまいました。。。
案の定、アマゾンのレビューでも、評価は分かれているようで。
自伝本を読むよりも、そんな自分の人生を振り返りながら、社会人の後輩たちに綴った『働く君に贈る25の言葉』の方が、個人的にはやっぱり好きかなぁ〜。