どうも、名古屋のフリーライターの平井です。
なんだかほぼ1カ月ぐらい、更新が滞っておりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか?
僕は?というと、相変わらず「逆流性食道炎」の経過が思わしくなく、食道なのか、胃なのか、なんだかよく分からない場所が痛む毎日です。
幸いにも、仕事ができないぐらいの痛みではない…のがタチが悪くて、調子に乗ってたくさん仕事をしていたせいか、一向に全快せず、3月上旬には、いよいよ胃カメラを飲んで本格的な検査になりそうです。今から、ドキドキします。検査結果より、むしろ、人生初胃カメラが心配です。。。
さて、のっけから久々の投稿に大きく脱線気味な本日ですが、タイトルを見て「平井さん、ついに出版社!?」なんて思った方、期待を裏切る感じですみません。そうです、今日は本のご紹介です。
夏葉社という「ひとり出版社」を設立・運営されている、島田潤一郎さんの著書『あしたから出版社』(晶文社)でございます。
あしたから出版社 (就職しないで生きるには21) -
何を隠そう、、僕も、いわゆる出版関係のお仕事をしている者のひとりです(いやむしろ、ブログで大々的にPRしちゃってるわけですけど…)。もちろん出版社ではないのですが、ライターとして、編集者として、今まで結構な数の本や雑誌をつくることに携わってきた、と思います。
でも、この本を読み、島田さんの仕事ぶりに触れると、こんな純粋無垢な気持ちで本づくりに携われてきたかなと、自分の仕事を振り返り、いろいろと考えさせられました。
商業主義に走りすぎるはいやだ。けれど、継続には儲けも大事。そんな中、魂を込めて作り上げた本が、予想以上の反響を受け、しっかりと売れていく。その様子に、出版業界の明るい未来への萌芽というのか、いまいち表現しづらい不思議な期待感みたいなものを感じた次第です。やっぱ、単純に、いいモノは売れるんだなぁ〜と。
あと、著者の方の「本屋好き」ぶりに、なんだかシンパシーを感じました。そういえば、僕も本が好きというより、「本屋」が好きだったのかも、って。
僕の実家の近くには、小さな本屋さんがありました。個人経営のおそらく10坪ほどの小さなお店で、店内はおおざっぱに、半分が雑誌と書籍・コミック、そして半分が、学校用品を中心とした文房具を扱うコーナーでした。
ほぼ毎日、というと大げさですが、それでも週に2〜3回は必ず来店し、マンガを立ち読みしたり、文房具を購入したりしたものです。駄菓子屋と双璧をなすぐらい、僕にとってその本屋さんは身近な存在でした。
僕は、今から3年前に実家を事務所にする形で地元に戻ってきたわけですが、その頃には、いっぱい思い入れの詰まったその本屋さんは、すでに廃業していました。どうやら風のうわさでは、ご病気が原因だったそうな。
そしてしばらくののち、その本屋だった建物は、取り壊されました。更地になったその場所を見て、なんだか言葉にできない寂しさがこみあげてきたのを今でも覚えています。
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この本を読んで、そんな本屋さんの思い出がよみがえってきました。ゲーセンも行ったし、バッティングセンターも行ったし。でも、小・中・高校のトータルで一番足を運んだお店は、きっと、古本屋を含めた街の本屋さんだったんじゃないかな〜。当時は、今ほど「犬も歩けばコンビニに当たる」時代じゃなかったですし。あそこは雑誌が縛られていないとか。あそこはコミックが立ち読みできるとか。新刊だって立ち読みし放題の、まだまだおおらかな時代でした。
というわけで、個人的には、本好きよりもむしろ、本屋好きにこそ楽しんで読んでもらえるのでは、と感じた一冊でした。あと、今の世の中になんとなく生きづらさを感じている人は、読了後、ちょっぴり勇気をもらえる内容なんじゃないかと思います。
いつもこのブログで紹介するビジネス書のように、ド直球のハウツー的要素はほぼ皆無ですが、よろしければぜひ。