相変わらず忙しい毎日ではありますが、
ちょっと前の猛烈さはやっと薄らいできて、
まあ、平常業務に戻りつつあるかな、という感じです。
さて、今日は1冊、本をご紹介しようかと思います。
都築響一さんという方の『圏外編集者』です。

雑誌『POPEYE』や『BRUTUS』などで
長らく編集・ライティングを勤めていた方のようで、
現代アートの美術全集や、若者たちの部屋を撮影した本、
日本各地の奇妙な名所を集めた一冊など、
独自の視点や切り口で編集された多くの著作があります。
で、この『圏外編集者』では、そんな都築さんが、
ご自身の編集者人生を振り返りながら、
編集者とはどうあるべきか? そして、
未来の出版はどうなっていくか?などを語っています。
僕は、「名古屋のフリーライター」を標榜し、
今や仕事の大半がライティングになっているわけですが、
かなりの雑誌・書籍の編集もさせていただいてまして、
こう見えて(どう見えて?)、一応、編集者でもあります。
(ちなみに時々、撮影やデザインもしてたりして)
いわゆる同業者の大先輩であるわけですが、
その生き様というか、仕事への熱量というか、
全然足元にも及んでいないな〜と、反省することしきり。
まだまだ未熟者だと痛感させられる内容でした。
最近は出版業界の暗いニュースがよく流れ、
なんだか悲観論が全体を覆っている感じがあるのですが、
ただ、本の中には、勇気づけられる記述もたくさんありました。
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自費出版というかたちで地元のカルチャーを、自分たちで発信できるようになったら、もう東京はいらない。自分の地元にいて、自分たちの足元を見て、興味があることを自分たちで本にして、自分たちで売ったり買ったりする。そこに東京の出版業界が入り込める余地は、もうない。「いま起こりつつあること」は、その場所にいなければけっして見つからないのだから。
自費出版、電子出版、ネット販売という本のかたちと販路が生まれたことで、出版業界は大きな変わり目を迎えているはず。スケールメリットがスタートラインの差にならなかったら、あとは版元の有名無名ではなくて、本の内容で勝負するしかない。
(問7.出版の未来はどうなると思いますか? P220〜221より)
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地方で生きるライター・編集者が
今まで以上に存在感を発揮できる時代が、
すぐそこに、いや、もうすでに来ているかもしれない。
そんな時代だからこそ、何をやるべきなのか。
しっかりと考えながら、一つひとつの仕事に
真摯に向き合っていきたいと思います。