
直球のタイトル通り、本づくり、本の販売の現場を取り巻く現状を書いた一冊です。
自分の本づくりに携わる1人として、最近の現場を取り巻く状況は、徐々に悪くなっているな、と感じていましたが。。。
これを読んでみると、「周りの状況が悪くなっている」のではなく、「あくまで出版業界内の内輪の問題」なのではないかと痛感しました。
例えば、
本の再販制度の問題、しかり。
新刊を大量発行する状況、しかり。
また、実際の数字を追ってみると、「若者の読者離れ」などはなく、むしろ「中高年の読者離れが著しい」のが現実だということ。
さらに、読者をする人、読まれている本の数、本全体の販売額については、それほど大きな減少に至っていない、というのがこの本の分析です。
これだけ、周りに図書館が充実し、中古本ショップが乱立し、ネットで情報が氾濫する時代に、である。
むしろ、これは、とっても「恵まれた環境」なのではないのか。
やっぱり「出版は不況に強い」。そう感じるようになりました。
読者の方が求めているのは、今も昔も、「質の高い本」、「面白い本」。
それを胸に秘め、目の前のできることから、コツコツと力を尽くしたいと思います。