2010年01月21日

学資保険。

「お子さんのためにも、学資保険にはぜひ入っておいてね」

とあるお店の取材に伺った際、子どもの話を切り出すと、開口一番、子どもの教育資金を案じて、このような言葉が飛び出した。

学資保険。確かに積み立て型の貯蓄性保険なので、強制的に教育資金をためていきたいという人には有効な手段の一つではある。

ただ、自分でコツコツ貯金ができる人には、今、学資保険は決してお勧めできる商品ではない。

しっかりと保険内容を確認してみると、子どもの医療保険、死亡保険と引き換えに、トータルの積立額と比して元本割れを起こしてしまう商品が多いからだ。

冷静に考えてみると、子どもの医療費は小学生までは無料や補助のある自治体が多く、中・高校生で頻繁に病院に通うケースというのは稀だ。

さらに、子どもの死亡保険を親が受け取っても、そもそも「学資保険=子どもの教育資金」なわけだがら、目的としたら本末転倒な話。

また、親が死亡した時の死亡保険金が必要なら、親の死亡保険金を見直した方がずっといい。

というわけで、学資保険には、「学資」というフレーズから連想するほど、子どもの教育資金に対するメリットは少ない。

前述の奥様の時代には、きっと学資保険でも高水準の利率を期待できたのだろうが、今は全く状況が異なる。

親世代の教訓は確かに活かすべきところが多いのは事実だが、それをどう咀嚼し、自分たちの生活に活かしていくのかは、自らの判断で行わないと痛いしっぺ返しを受ける可能性がある。

で、代替案を考えてみた。

例えば、学資保険の問題点は、急にお金が必要になった時、解約ペナルティーとして大幅に元本割れする危険性が高いということだ。

学資保険の中には1%以上の利率を確保する優良な商品もあるのだが、それはおそらく、この「途中解約」を見込んでの数字だろう。

この場合、途中で解約してもらえば、保険会社の丸儲け、というわけだ。

個人的には、一番安全なのは「個人向け国債」ではないかと思う。

1万円から購入できるし、メガバングなどの金融機関と比べれば圧倒的に金利が高い。直近の商品は過去最低の利率だったそうだが、「10年物」を選べば、将来金利が値上がりした際にも利率が変動していくので、低金利下でのリスクも軽減できる。

また、学資保険のような中途解約リスクも少ない。1年間預け入れすれば、直近1回の利息分のみで途中解約が可能なので、お金がどうしても欲しいときに元本割れすることもほとんどないはず。

もちろん「学資保険」が悪いわけではない。きちんと解約せずに続けることができれば、大きなメリットがある商品も中にはある。

ただ、自分の目で商品内容を確かめ、きちんと起こるべきリスクを認識した上で、「自分にとって最良な商品」を見極めることが大切だ。


…なんて、今回はファイナンシャル・プランナー(3級ですが…)的なちょっと小難しいお話。でも、将来を考えるととても大切なことなんで、お子さんがいるご家庭はぜひご一考を。

なんだか保険会社の回し者のような、今日のフリーライター日記でした。

posted by もっぴ at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ライター日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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