テレビ番組「マネーの虎」で一躍有名になった、リサイクルショップ事業を展開する「生活創庫」の社長、堀之内九一郎氏の著書です。
例のごとく「ホームレスから社長へと復活を遂げるまでのエピソード」などが書かれているわけですが、
2004年の出版ながら、今でも役立つフレーズが随所に盛り込まれていて、中古本で200円前後という価格以上の価値は大いにあると思います。
本の中で、特に気に入ったのが、
目標に向かって、どんなに効率が悪く小さくとも、まずその一歩を踏み出しはじめられる人間は、結果として恐ろしいほど効率のいいやり方で目標を達成することになります。
というフレーズ。
こうやって本を読んでも、「いいなぁ」と思ったことを実行しなければ、決して成功にはたどり着かない、ということを言っているように聞こえました。
失敗を恐れず、まずは小さなことからはじめてみること。
これが意外に難しかったりします。
この本の中では「いびつな一歩」と呼んでいますが、
見てくれは悪くても、勇気を出して一歩を踏み出してみる―。
そこから何かが生まれてくるんだと思います。
…僕の場合、いつも「いびつな足跡」ばかりで、ちょっと困りもののような気がしてなりませんが。。。
あと、高校時代の先生の話も気に入りました。
なんでも、とても荒れた学校に通っていたようなんですが、
テストを直前に控えたある日、先生から「カンニングをしていいぞ」と、おもむろに「カンニングペーパー」と書かれた白紙を渡されたそうです。
生徒たちは喜んでその紙に公式や解説を書きつらね、テスト当日には表も裏も細かい字でびっしり。
で、試験の点数は?というと、全く適当な採点。生徒から「あいつは90点なのになんで…」と声があがれば、「じゃあ、90点だな」と好きな点数を付けてしまう始末。
でも、その先生の意図していたのは、
「テストなんかどうてもいいんだよ」というメッセージだったのでは?と著者は語っています。
でも、結果的に、カンニングペーパーにびっしり書いたおかげで、しっかり公式を覚えてしまっている。
こういう大人って、ステキだな、と。
僕の学生時代にも、ハチャメチャな先生というのは、学校に1人や2人いたもんですが、今はどうなんでしょうか?
ともあれ、僕もこういう魅力的な人間になれるといいな、と思います。