2010年04月28日

1分間マネジャー。

知人から借りた名著のひとつ。


1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!

1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!

  • 作者: K.ブランチャード
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1983/02
  • メディア: 単行本




今では「部下を褒めて伸ばす」なんて、結構そこらへんで聞くフレーズのように思えますが、

この本が出た1983年頃は、一体どうだったんでしょうか?

今でも読まれ続けるビジネス書の歴史的名著の一つですが、

その秘密は、やはり「1分間」というキャッチーなタイトルと、簡潔ながら実りの多いその内容にあると思います。

単に理論を並べたてる解説書ではなく、一つの物語形式になっていますので、

難解なビジネス書が苦手という方でも、きっとすんなりと腑に落ちるはず。


冒頭、物語の中で、優秀なマネジャーの象徴として描かれている<1分間マネジャー>が座右の銘として紹介するフレーズに、

「気分のよい部下は、よい結果を生む。」

なんていうのが出てきますが、

これ以外にも、いかに人をうまく導いていくとよいか、その方法にまつわる「金言」が随所にちりばめられています。


特に、<1分間叱責法>の中で語られている、

失敗を犯した「人間」を叱るのではなく、はっきりと具体的に「行動」を叱る、という部分などは、

先日読んだ『EQ』に書かれていた、

夫婦間のもめごとでは、決して相手の人格を否定する言い方をしてはいけない。常に相手の「行動」について指摘しないといけない。

という内容にも通じる部分があると感じました。


また、

先日読んだ、リスクや確率に関する本の中に、「平均回帰」というお話が出てきていたんですが、そこで、

「叱ることで部下がいい結果を出す」という思考回路には、実は大きな勘違いが潜んでいて、

単純に、その人の実力の平均値よりひどく悪い結果が出た時に叱るから、その次には平均値に近い結果が出る確率が高く、結果的に叱った効果が現れたように見えるにすぎない。

なんて内容が書かれていたことも思い出し、 

「褒め方」「叱り方」の大切さを、今一度考えさせられました。


人間性は否定せず、本人が犯した行動のみを叱り、そのうえで最後に、「自分は君の味方だ」「高く評価している」という絶対的な好意を表現する――。

…難しいそうに聞こえますが、この本を読んでいると、「なんだ、簡単そうだな〜」と思わせくれるところが、この本の魅力なのかもしれません。


僕自身、個人事務所ですから、あまりマネジメントスキルをフルに発揮するというシーンはすくないんですが、

それにしても、外部のスタッフさんと一緒にお仕事をしたり、ましてや家族内では、しっかり子供を育てるマネジャーの一人なわけで。

こうした観点からすれば、どんな方が読んでも、何かしら為になることの多い一冊だと思います。

人材掌握術に悩む方は、ぜひご一読を。

posted by もっぴ at 06:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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