大学時代、実は刑法のゼミに所属していて、
最近話題の「名張毒ブドウ酒事件」などを酒の肴に、ゼミ室で酒盛りを繰り返していたのを思い出しながら(今考えると、ちょっと変な学生だよなぁ〜)、
この「時効撤廃」の記事を、じみじみと読みました。
そもそも、この「時効」の意義としては、
・関係者の記憶の希薄化
・犯罪被害者の処罰感情の軽薄化
・逃亡生活による報いの実行・完了
・被告人に有利な証拠の消滅・散逸
などが一般的に挙げられていますが、
最近では、DNA鑑定など最先端の捜査技術により、以前の技術では立証が不可能だった案件についても、犯罪者を特定できる可能性が広がってきていますし、
とりわけ、「犯罪被害者の処罰感情の希薄化」という根拠については、時効が成立したことで、処罰感情がより増大するといった矛盾もはらんでいるような気がします。
もちろん、4番目の「被告人に有利な証拠の消滅・散逸」という点については、「もし捕まってしまったら、被告人が無罪を主張するための証拠の収集は事実上不可能」なわけで、これはこれで問題だとも言えなくもないですが、
それにしても、「なんで逃げ得がまかり通るのか?」という、素朴な市民感情を解決する今回の改正は、新たな法のあり方に向けた、意義のある前進だと思います。
今後も、こうした「より市民感覚に近い法律」に向けた法改正が進んでいくのかな〜と感じます。
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