普段から、外食産業には少なからず関係する仕事をしているだけに、
実に興味深く読ませていただきました。
で、やっぱり出てきた「原価率」のお話。
なんでも、さる外食産業のコンサルタントの方の話によれば、
材料費+人件費が、全体の費用の60%を超えると、外食チェーンとしては危険水域に達するのだとか。
ざっくり30%・30%とすると、例えば、500円の定食の材料費は、およそ150円。
材料150円かぁ〜。改めて数字を耳にすると、なんだか複雑な心境です。
以前、とある取材で、「300円のデザートの原価が30円では高い!」なんて、揉めていたシーンに遭遇したこともあったもんなぁ。。。
もちろん、原価率を下げるために、セントラルキッチンの導入、大量仕入れによる材料費の低減などなど、そこには、さまざまな企業努力があるんだとは思いますが、
本当に大変な商売だな〜と痛感します。
ところで、最近、家族経営の飲食店さんで、
自家菜園の野菜を提供するお店に出くわすことが多いんですが、
自分で農業をやっている皮膚感覚からすると、
これって、経営的にとてもメリットが大きいような気がします。
…もちろん、ある程度の野菜が収穫できれば、の話ですが。。。
例えば、先ほど挙げた原価の問題。
自家野菜を使えば、そのコストは、種・苗代、多少の肥料その他。
普通の野菜として出荷できないような、形の悪い野菜なども料理に使えますから、
おそらく、農家さんがそのまま出荷するより、野菜のロスは格段に少なくなるはず。
さらに、害虫などのリスクが少なかったり、リターン(収穫物)が大きい野菜、
特に、根菜類(大根など)、果菜類(トマト、ピーマンなど)などを中心に作付けすれば、
おそらく難なく初期投資分をペイできると思います。
もちろん、家族経営のお店ですと、
その分、自分の労働時間が長くなるわけですから、
そこにデメリットがないわけではないですが、
最近では、ワタミも農業に参入するなど、
外食産業と農業は、かなり親和性の高い業種だと思います。
さらに、「自家菜園」というのは、
他店との差別化にもきっと大きな武器になるはず。
…とまあ、自分で飲食店を経営しているわけではないので、
本業の方からすれば、「素人の戯言」なのかもしれませんが、
いずれにせよ、未来の子どもたちの食を守るために、
安心・安全にこだわった「いいお店」が、もっと増えていってくれればなぁ〜というのが、偽らざる僕の本心です。
自分の仕事を通じて、少しでもこうしたお店のお力になれれば、とっても幸せだな〜と思います。
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