あらためて、という感じですが。
言わずと知れた環境問題を考える上で外せない作品、レイチェル・カーソン著『沈黙の春』です。
タイトルが示す通り、農薬散布によって小鳥や魚が死滅した「沈黙の春」が訪れている現実にスポットを当て、
大量に使用されている除草剤、殺虫剤が、生物たちにいかに甚大な被害を及ぼしているのかを、切々と書きつづった一冊になっています。
それにしても、これが書かれたのは、今から50年以上前のこと。
一人のアメリカ人女性が、孤立無援で書き上げた一冊だというんですから、
住む世界は若干違えど、同じ書き手として、その勇気には純粋に「すごい」と感心させられます。
現在では、農業を取り巻く環境もだいぶ変わってきたとは思いますが、まだまだ現場レベルでは「農薬の怖さ」が浸透していないというのが現状ではないか、と思います。
もちろん、化学薬品なしでは、現在の人類の発展はないわけで、「農薬=諸悪の根源」などと、頭ごなしに否定するつもりは毛頭ありませんが、
未来の子供たちによりよい環境を残していくためにも、適正な使い方の徹底、よりよい代替案の模索、などは常に啓蒙していかなければならないだろうと痛感します。
いろんなご縁があって、最近では、フリーライターとしての枠を超え、実際に農業に携わる機会を得られつつあるわけですから、
「メディアを通じたフリーライターとしての情報発信」にとどまらず、「作り手としての情報発信」にもフィールドを広げながら、
「みんなが幸せになれる食のあり方」をもう一度見つめ直し、今後の執筆にも活かしていきたいな、と思います。
…と、最後は自分の話になってしまいましたが(笑)、
ともあれ、環境問題に興味のある方なら、決して一読して損のない名著だと思います。
2010年06月15日
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