雨後の筍、というのはこういう状況のことをいうのでしょうか?
それにしても、本当に多いですね、最近。
NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』の出演、『奇跡のリンゴ』の出版を機に、一躍農業界のスターダムにのし上がった感のある木村さん。
また、あの歯が抜けた素朴なビジュアルが世間の共感を呼ぶのでしょうか、出版会でも当然のごとくひっぱりだこの状態が続いております。
で、この本は、そんな木村さんの話よりも、どちらかと言えば、木村さんの「周辺」にメインスポットを当てたお話の集合体。
木村さんが提唱する「自然栽培」を元に地元で頑張っている農家さん、「自然栽培」の野菜を流通面から支えようと奮闘する業者さんなど、いろんな方のエッセイや日記などがつづられています。
実際、「自然農法」「自然栽培」といっても、具体的な統一基準などはなく、その定義自体はとても曖昧なものになっています。
一方の「有機栽培」のように、JAS法で規定され、その認可を得るために高額な検査費が必要なものもちょっと疑問ではありますが、
「自然農法」では、こうした基準がなく、各農家による独自の栽培手法が採られていることもあり、
特に流通面では、「木村さんのリンゴが人気」だけど、「その他の自然栽培のリンゴ」には全く世間の関心がない、といった状況が生まれているそうです。
まあ、そうですよね、僕もどうせ同じお金を払うなら、やっぱり木村さんのリンゴを食べてみたい(笑)。
そう考えると、「自然栽培」うんぬんということよりも、各農家がいかに自分たちをブランディングしていくのか、という部分が問われているのかもしれません。
…と、なんだか本の内容から脱線している感じもありますが、
純粋に「自然栽培」に興味がある方なら、この本を手に取るより、違う本の方が有益かも。
特に「まずは自分でも自然栽培を!」というなら、同じ木村さんの著書『自然栽培ひとすじに』がおすすめです。
2010年07月12日
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