2010年07月30日

ビジョナリー・カンパニー3。

人気ビジネス書の、発刊ホヤホヤの最新作。


ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

  • 作者: ジェームズ・C・コリンズ(James C. Collins)
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2010/07/22
  • メディア: 単行本




副題に「衰退の五段階」とある通り、前回、前々回で取り上げたような成功企業が、どのような段階を踏んで衰退の道を進んでいったのかを分析し、そこに見える5つの段階を解説する内容になっています。

個人的には二作目が素晴らしいな〜と感じていたんですが、今回は期待が大きすぎた分、ちょっと物足りなかったかな〜という印象でした。まあ、それにしても良書であることは間違いないと思いますが。

衰退の第一歩は、やはり自己の成長に対する「おごり」や「慢心」。

以前に読んだ、『まぐれ』や『ブラック・スワン』といったビジネス書にもあったと思いますが、

基本的に、人が何かを成し遂げた「サクセス・ストーリー」には、その裏に「運」や「偶然」という要素が大きく絡んでいて、

成功を後から理由づけした「後知恵」のバイアスを取り除いて考えないと、同様のように行動して失敗してしまう、という危険性をはらんでいます。

確かに、マスコミなどで大きく取り上げられる成功者の影で、成功者と同様の手法で失敗した人にはスポットが当たらないわけで、

そういう部分にもきちんを目を向けながら、物事を冷静に判断する必要があると思います。

で、衰退の第一歩となる「おごり」や「慢心」ですが、

どうしても人は、例え「偶然」の要素で成功したとしても、それを「自分の実力」だと評価したくなる。

すると、成功した後から「これが成功の理由だった!」と、「後知恵」で自分の実力を評価したくなるものです。

例えば、野球で「今日の勝因は、あそこで送りバントしたから」と分析するようなもの。

だって、送りバントしてなければ、ホームランが出ていたかもしれませんし、送りバントが成功したものたまたま運が良かっただけかもしれない。

経営者として、こうした「運」の要素をできるだけ排除し、冷静に自分たちの実力を分析することは、衰退への道を防ぐ第一歩だということでしょう。

以前に読んだ本(もしかしたら『ビジョナリー・カンパニー』シリーズだったかも)の中に、こういう一節がありました。

優秀な経営者は、事業がうまくいったときは、「たまたまですよ」と答え、事業がうまくいっていないときは、「自分たちの実力不足です」と答える。

衰退を防ぐのはこうした謙虚なマインドということでしょうか?

こうした衰退への序曲に陥らない経営者は、一貫して事業に情熱を抱き、変わら学習欲と向上心を抱き続けているそうです。

自分も、もっともっと探究心を燃やして頑張らないと!


人も会社も、成長期があれば衰退期は必ず訪れるもの。

しかも、衰退期は、必然的に調子のいい時から徐々に始まっているものです。

転ばぬ先の杖として、ぜひおすすめしたい一冊です。


posted by もっぴ at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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