社会保障って、これから一体どうなるでしょうか?
明らかにアイキャッチを狙った「不都合な真実」には、なんとなく今さら感がぬぐえないのがちょっと賛否の分かれるところかもしれませんが、
本の内容はなかなかに硬派。本家?の「不都合な真実」よりも、とっぼとこちらの方が読み応えがある、と個人的には思うんですがいかがでしょうか?
…このあたりは、環境破壊、地球温暖化に対する価値観の問題なので、なんとも言えない部分がありますけどね。
各種メディアの報道で、年金をはじめとした社会保障が破たんの危機に瀕していることは分かりますが、それがどれぐらいひっ迫していて、どのような具体策を講じるべきなのかは、意外に知らないことが多いですよね。(少なくとも僕はそうです。。。)
この本では、そういった社会保障の問題を、年金だけでなく、医療や子育てなどについても、経済学の観点から詳しく解説し、その具体的な解決法についても言及しています。
個人的に興味を持ったのは、「病院による貧困ビジネス」の実態についてふれている部分。一時期、生活保護を使った無料定額診療所による貧困ビジネスが取りざたされていましたが、この本では、「それよりも、病院により貧困ビジネスの方が悪質」と指摘しています。
本によれば、生活保護者は医療費負担がゼロであることを使い、「患者を短期間で繰り返し転院させて診療報酬を荒稼ぎ」する病院もいるあるのだそう。
報道で明るみに出ているものは実は氷山の一角で、本当はもっと巨大なネットワークになっているという話も。
…と、そんな少しアンダーグラウンドな話も交えつつ、この国が抱える問題と真摯に向き合ったなかなかの良書。
この手の話題に触れてみたい方には、ぜひご一読をおすすめしたい一冊です。
2010年09月05日
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