人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
- 作者: トーマス ギロビッチ
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1993/06
- メディア: 単行本
ずっと中古本を購入したきりで、なかなか読み進めていませんでしたが、ちょっと時間が空いたタイミングで一気に読了いたしました。
内容はタイトルの通り、いかに人間の生活には迷信・誤信があふれているか、ということを一つずつ丁寧に分析した一冊になっています。
例えば、みなさんは、何かのパーティーに呼ばれて、「知人と知人の誕生日が一緒だった」なんて「奇跡の偶然」に遭遇してことはありませんか。
仮に、23人が集まるパーティーが開かれたとして、その列席者の中に「誕生日が一緒の2人」がいる確率は、どれぐらいになるでしょうか?
0.5%?
いやいや、0.02%?
もう少し高くて、5%ぐらい?
この本によれば、正解は、ほぼ50%!!
…冷静に考えてみると、確かにそうです。
ちなみに、35人が集まれば、誕生日が同じ組ができる確率はおよそ85%にもなるといいます。これですと、まったく奇跡でも何でもなくなりますよね。
というわけで、人間が「すごい偶然」「奇跡」「不思議な力」と考えがちな出来事も、冷静に分析してみると、それほど希少なことではなかったりするわけです。
このほかにも、「巷にあふれる胡散臭い健康法がどのようなメカニズムで盲信されるのか」や、「人から聞いた情報はどれぐらいウソが多いのか」など、さまざまなケースで生まれる「誤信」を解説しています。
単純に読み物としても面白いですし、実生活にも役立つ方法論・思考法も満載。
ちょっとボリュームは多いですが、「一度読んでみてソンはない!」と断言できる良書です。