なんだか東日本大震災関連の本のように見えますが、
実は違います。違うところがまた辛い。
![原発と地震―柏崎刈羽「震度7」の警告 [単行本] / 新潟日報社 特別取材班 (著); 講談社 (刊) 原発と地震―柏崎刈羽「震度7」の警告 [単行本] / 新潟日報社 特別取材班 (著); 講談社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51fDMqB6t8L._SL160_.jpg)
講談社『地震と原発ー柏崎刈羽「震度7」の警告』。昨日ご紹介した「朽ちていった命」同様、今回の大震災を契機に、改めて注目されている本のひとつです。
サブタイトル通り、本の内容は、福島原発ではなく、新潟の中越沖地震で事故が起きた柏崎刈羽原発を取り巻く話。
事前に「まるで預言書のようだ」という書評を見ていましたが、
事故対応や情報開示の遅れ、いわゆる「原子力ムラ」の問題に至るまで、
今回の福島原発で露出した問題点が、ほぼそのままなぞるように書かれています。
本の中では、あとがきで、あらためて作家・高村薫さんの言葉を紹介しています。
「震災の不条理に原子力施設の事故が加わると、もうこれは人間の耐えられる限界を超えていくだろう。原子力の問題が難しいのは大事故を起こしたら終わりだからですよ」
発刊は2009年1月。
読後には、なんともいえないやるせなさが残ります。