![日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書) [新書] / 浅川 芳裕 (著); 講談社 (刊) 日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書) [新書] / 浅川 芳裕 (著); 講談社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41hwB-Jbp2L._SL160_.jpg)
講談社プラスアルファ新書の『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』です。昨年かなり売れたみたいで、アマゾンのレビューも現在94件掲載されておりました。
日本の農業の危うさを主張する際、よく「日本の食料自給率」が引き合いに出されますが、この数値がうまい具合に利用されている、というのがこの本の主張です。
まあ、そうですよね…。
生粋の名古屋市民だった相方は、「田んぼなんて、高速で1時間ぐらい走らないとないと思っていた」なんてことを本当に話しますが(実際、稲刈り体験ために岐阜・高山まで行っていたそうな)、
三大都市圏のひとつと言われる名古屋でさえ、市近郊はおろか、市内にも広大な田園風景が広がっているわけで、
これで食料自給率40%と言われても、皮膚感覚として、確実におかしいですよね。
一度米作りを体験すると分かりますが、ヤツらの成長力たるや、ハンパないです!
「え?これだけ?」という分量の種籾から、とんでもない量の稲穂が実ります。
数字というのは客観的な事実を検証するための大切なツールのひとつだと思いますが、
それを鵜のみにせず、実体験による感覚を大切にすることも大事かな〜と感じます。
自分も昨年から「兼業農家」としてのスタートを切ったわけで、
本でも触れられている「戸別所得補償制度」の恩恵を受ける立場になったわけですが、
非農家出身で、全くの異業種から参入したものとしては、
良い・悪いの判断は別にして、なんだか不思議な世界だな〜と純粋に思います。
また、この本では、親世代から農業資材などを継承できないという点で、
非農家出身者が農業を志すことのハードルの高さを指摘していますが、
確かに、自分も実際にやってみて、ソフト・ハードの両面で「難しさ」を感じるのは事実です。
…とはいえ、自営業で何かを始めるためには、どんな業種でもリスクはつきもので、
それを言い訳にしていては、何も始まらないかな〜というのが僕の率直な感想ですが。
逆に、無利子で高額な融資を受けられる制度なんかもあったりして、
上手に使えば、他の産業よりも有利な面はたくさんあると思います。
農業を取り巻く問題点を指摘した一冊。
そちら方面に興味のある方なら、読んでソンはしないかな、と。