![競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書) [新書] / 大竹 文雄 (著); 中央公論新社 (刊) 競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書) [新書] / 大竹 文雄 (著); 中央公論新社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41HMJFps7iL._SL160_.jpg)
ちょっと前、というか年初ぐらいに読んだ1冊なんですが、大竹文雄氏の『競争と公平感ー市場経済の本当のメリット』(中公新書)です。
帯によれば、「週刊ダイヤモンド 2010年のベスト経済書・第1位」、「日本経済新聞 2010年エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10・第3位」とのこと。
…なんだか、某化粧品のCMみたいな感じで数字が踊っていて、新書コーナーの中でも結構目立つと思いますので、読まれた方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
で、この本、その内容の程は?というと、これがまた、なかなか面白い!
「オフィス・ヒライが選ぶ経済図書ベスト10」でも、今年の1位、2位を争うのではないでしょうか(笑)
本のタイトルからすると、めちゃめちゃお堅い経済書を連想すると思いますが、
例えば、「夏休みの宿題を最後に必死になってやる人は、ギャンブルやタバコにはまりやすい」とか、
「看護師の賃金が低下すると、患者の死亡率が上昇する」といったものまで、
軟硬織り交ぜた多彩な話題が取り上げられていて、フツーに読み物として楽しめます。
タイトル通りの「競争や公平感」について真正面から学びたい、考察したいという方には、ちょっと方向違いな一冊になってしまう恐れもありますが、
いずれにしても、新たな視点で物事を捉えるきっかけを与えてくれるような、新鮮な刺激のある一冊かと。
…ちなみに、冒頭の「人差し指と薬指の長さ」のお話。
実はコレ、相対的な薬指の長さが、男性ホルモンの多さを示しているそうなんです。
で、研究によれば、一流スポーツ選手とそれ以外の選手と比べてみると、一流選手の方が相対的に薬指が長いそうな。
最近は「草食系よりも、肉食系男子でしょ!」なんて女子のみなさま。
次の合コンでは、男性陣の薬指に注目してみてはいかがでしょうか?
…まあ、あんまり男性ホルモンが多すぎて、ムンムン!してるのもウザいですが。。。
貧しい街では、豊かな街に比べ、帝王切開の率が増える、と。より大きな現金収入になる手法を、産婦人科医が選ぶから、だということです。
看護師の賃金も、同様ですね。
全員が全員、お金に流されるとは言わないが、そうした傾向を知るだけでも、意味がありますね。楽しいです。
『ヤバい経済学』も面白いですが、こちらもなかなかのもんですよ。
新書で入手しやすいですし、おすすめです!