2011年10月13日

ユダヤ5000年の叡智 富と成功の秘訣。

なんだかお金儲けの本みたいですが、実は中身は全く違いまして。

[ユダヤ5000年の叡智] 富と成功の秘訣 [単行本] / 加瀬英明, マーヴィン・トケイヤー (著); 加瀬英明 (翻訳); 日本経営合理化協会出版局 (刊)

『ユダヤ5000年の叡智 富と成功の秘訣』

タイトルを見て、「お金儲け関係のビジネス書かな〜」なんて、図書館で軽く手に取ってみたんですが、

ただならぬ本の分厚さと、圧倒的な本体価格(税別9800円!)にちょっと気押されながらも、試しに読んでみることにした一冊です。

読み始めた当初は、実は、そんなに期待はしていなかったんですが、

読了した今は、「もしかしたら今年読んだ本の中で「ベスト1」かも」と思わせるぐらい、素晴らしい本でした。

肝心の中身は、ユダヤ人のビジネスについて…かと思いきや、そのほとんどが、これは教育書でしょ!と言いたくなるぐらい、「ユダヤ人の子育て」について書かれています。

ユダヤ人の宗教観に根差した部分が多いので、若干、宗教色の強い内容にはなっていますが、

全編にわたって「徳育の大切さ」を説いていて、今までの子育てに対する考え方を改めさせられるようなフレーズが随所にちりばめられています。


その中でも、特に感銘を受けたのが、子育てに対する「父親」の重要性。


なんだか、母親のサポートする程度で満足するような昨今の「イクメンブーム」が、

とっても浅はかで、なんだか「恥ずかしい」とさえ思えてくるぐらいです。


以下、本の一節から。

親は子に対して、教師の役割を果たすことが義務づけられている。とくに、父親にその重い責任が与えられてきた。父は家庭にあっては、家庭という学校の校長である。母は父親に準じる教員である。

子どもは父親を権威とみて育つものである。だから、子の教育は、妻や学校に委せることができない重大事であるのだ。だから、父親が子育ての中心的な役割を担わなければならない。


もちろん、これはユダヤ式教育ですから、そのまま日本人にあてはめる必要はないわけですが、それにしても、今の日本のパパたち、さらにいえば「イクメン」を語るような昨今の状況からは、「自分が子育ての中心的役割を担う」というような気概はほとんど感じられません。


単に母親をサポートするのではなく、父親として自分が中心となって子育てを担っていく。

確かに、これこそが、本来あるべき「子育ての姿」なのだと、痛感させられました。



そのほかにも、夫として、親として考えさせられる部分がたくさんあり、

全くの偶然でしたが、いい一冊に巡り会えてよかったな、と思います。

…まあ、値段が値段ですから、ベストセラーになることは永遠にないでしょうけど。。。


最後に、もう一つ、「ユダヤ式性教育」における中学校教諭のコメントから。


君たちもやがて成人となり、結婚することになるだろう。しかし、君たちの両親をみてもわかるように、お互いにひかれ合い、結婚するということは、それ自体が目的なのではなく、幸せな家庭をつくる機会が与えられ、その時からそのために努力しなければならない、ということなのだ。幸せな夫婦生活を送り、健全な家庭を築こうとするのは、実験ではない。人としての義務だ。

だから、恋愛は実験であってはならない。そして結婚は、自分にふさわしい相手と結ばれることではない。相手にふさわしい自分をつくるために、努力しなければならない。



いや〜、深いなぁ〜。

posted by もっぴ at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
知育と同じかそれ以上に、徳育。その通りだと思います。

父親の教育は、そのときは理解してもらえなくても、子どもが大人になったとき、「あ、あの父親の言葉はこうだったんだ」と分かってもらえる。要は、愛なんでしょうね。でも、愛は拘束を伴う。そのバランス感覚なんでしょう。
Posted by ぐるぐる at 2011年10月14日 11:46
ぐるぐるさんのコメントも深い!

父親の先輩のお言葉、ぜひ参考にさせていただきます!!

愛かぁ〜。なんだかウチの子は過保護になりそうで、ちょっと心配(笑)

Posted by もっぴ at 2011年10月14日 19:23
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