なんだかお金儲けの本みたいですが、実は中身は全く違いまして。
『ユダヤ5000年の叡智 富と成功の秘訣』
タイトルを見て、「お金儲け関係のビジネス書かな〜」なんて、図書館で軽く手に取ってみたんですが、
ただならぬ本の分厚さと、圧倒的な本体価格(税別9800円!)にちょっと気押されながらも、試しに読んでみることにした一冊です。
読み始めた当初は、実は、そんなに期待はしていなかったんですが、
読了した今は、「もしかしたら今年読んだ本の中で「ベスト1」かも」と思わせるぐらい、素晴らしい本でした。
肝心の中身は、ユダヤ人のビジネスについて…かと思いきや、そのほとんどが、これは教育書でしょ!と言いたくなるぐらい、「ユダヤ人の子育て」について書かれています。
ユダヤ人の宗教観に根差した部分が多いので、若干、宗教色の強い内容にはなっていますが、
全編にわたって「徳育の大切さ」を説いていて、今までの子育てに対する考え方を改めさせられるようなフレーズが随所にちりばめられています。
その中でも、特に感銘を受けたのが、子育てに対する「父親」の重要性。
なんだか、母親のサポートする程度で満足するような昨今の「イクメンブーム」が、
とっても浅はかで、なんだか「恥ずかしい」とさえ思えてくるぐらいです。
以下、本の一節から。
親は子に対して、教師の役割を果たすことが義務づけられている。とくに、父親にその重い責任が与えられてきた。父は家庭にあっては、家庭という学校の校長である。母は父親に準じる教員である。
子どもは父親を権威とみて育つものである。だから、子の教育は、妻や学校に委せることができない重大事であるのだ。だから、父親が子育ての中心的な役割を担わなければならない。
もちろん、これはユダヤ式教育ですから、そのまま日本人にあてはめる必要はないわけですが、それにしても、今の日本のパパたち、さらにいえば「イクメン」を語るような昨今の状況からは、「自分が子育ての中心的役割を担う」というような気概はほとんど感じられません。
単に母親をサポートするのではなく、父親として自分が中心となって子育てを担っていく。
確かに、これこそが、本来あるべき「子育ての姿」なのだと、痛感させられました。
そのほかにも、夫として、親として考えさせられる部分がたくさんあり、
全くの偶然でしたが、いい一冊に巡り会えてよかったな、と思います。
…まあ、値段が値段ですから、ベストセラーになることは永遠にないでしょうけど。。。
最後に、もう一つ、「ユダヤ式性教育」における中学校教諭のコメントから。
君たちもやがて成人となり、結婚することになるだろう。しかし、君たちの両親をみてもわかるように、お互いにひかれ合い、結婚するということは、それ自体が目的なのではなく、幸せな家庭をつくる機会が与えられ、その時からそのために努力しなければならない、ということなのだ。幸せな夫婦生活を送り、健全な家庭を築こうとするのは、実験ではない。人としての義務だ。
だから、恋愛は実験であってはならない。そして結婚は、自分にふさわしい相手と結ばれることではない。相手にふさわしい自分をつくるために、努力しなければならない。
いや〜、深いなぁ〜。
2011年10月13日
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父親の教育は、そのときは理解してもらえなくても、子どもが大人になったとき、「あ、あの父親の言葉はこうだったんだ」と分かってもらえる。要は、愛なんでしょうね。でも、愛は拘束を伴う。そのバランス感覚なんでしょう。
父親の先輩のお言葉、ぜひ参考にさせていただきます!!
愛かぁ〜。なんだかウチの子は過保護になりそうで、ちょっと心配(笑)