へえ〜、最近の若者って、結構、海外に行っているんですね。
絶望の国の幸福な若者たち [単行本] / 古市 憲寿 (著); 講談社 (刊)
「世界一周99万円!」でおなじみの「ピースボート」のルポ『希望難民ご一行様』で話題を呼び、気鋭の若者論者として知られる古市憲寿氏。そんな彼が、持ち前の「若者論」を展開した一冊が、この『絶望の国の幸福な若者たち』です。
なんだかタイトルからして意味深な感じですよね。
で、本の中身は?というと、これがまた興味深くて実に面白い! 今まで想像してきた若者像が、どれだけ「単なる妄想」だったのかを思い知らされます。
例えば、最近の「若者は海外に行かなくなった」という話。
本書によれば、確かに海外に行く20代の数は減っているものの、それでも2割の人が海外に行っている。これは、1992年頃の水準に戻ったにすぎないそうです。
また、留学生を見てみると、2004年の8万3000人をピークに毎年減少を続け、2008年には6万7000人まで下がっているそうですが、留学生のピークはバブル期ではなく、2000年代の中頃のこと。2008年の数字も1998年の水準に下がった程度でしかないといいます。
さらに、1996年から2010年にかけて、日本の若者人口が3割近く減少していることを考慮し、留学適齢人口あたりの留学生数を「留学者率」として算出してみると、留学生の数はいまだに過去最高水準をキープしている。
これには、僕も含め、大きな誤解をしている人が多いのではないでしょうか。
また、最近の若者は、自分たちのことを「幸福」だと考えているという調査結果が出ているそうですが、
筆者は、数多くの幸福感に関する調査から、人は「今日よりも明日がよくならない」と思う時に、「今が幸せ」だと感じるものだと分析。
若者たちが「幸福感」を抱いているのは、「今後の日本が悪くなる」ことを確信しているからだと説いています。
…と、本書では、こんな具合に若者のリアルな生態を、統計を元にあらゆる角度から分析しており、「へえ〜、ホントのところはそうなのね」と若者に対する見方が変わること請け合いです。
それにしても、「明日が良くならないと信じているから、今が幸福だと思う」という発想は、目からウロコ!
日本で行われる幸福度調査では、他国に比べて「今は幸せだと思わない」という人が多いとよく言われますが、
本書の考え方でいけば、日本人は「この社会はもっと良くなる!」と信じている証だということになります。
日本人は、まだまだ自国の再浮上を確信し続けている!
そう思うと、なんだか日本の未来は明るいような気がしてくるのは、僕だけでしょうか。
2012年01月20日
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