なんだか、カバーがすごいんです(笑)
ぼくはお金を使わずに生きることにした [単行本] / マーク ボイル (著); 吉田 奈緒子 ...
表紙の画像だけを見ると、なんだかソッチ系の一冊のようですが、もちろんそうではありませんし、僕もそうではありません(笑)
…まあ、正直、リアルな本屋で購入する時、レジの担当が若い女の子だったりすると、ある意味エロ本よりイヤな感じはありますけど。
さて、冒頭からかなり横道にそれましたが、この本、『ぼくはお金を使わずに生きることにした』というタイトル通り、アイルランド生まれで、フリーエコノミー運動の創始者の青年が、実際にお金を使わない生活を過ごした1年間のルポです。
普段、私たちは「お金なしでは生きられない」と考えがちですが、この本では、お金市場主義というべき現代社会がいかにまやかしにあふれていて、実は「お金がなくても十分に豊かな暮らしができる」という現実を、いろんな角度から提示してくれます。
ただ、僕がこの本を読んで強く感じたのは、「お金がないことによる不便も、また多い」ということ。とりわけこの本の実験に関していえば、ネットで協力者を募るなど、現代社会が築き上げた技術やインフラを無料で有効活用しており、「お金が作る社会」の恩恵をまったく受けない生活は、実現不可能だろうし、合理的な選択ではないな、とも感じさせられました。
…まあ、こうした難しい主義、主張を抜きにしても、「ヒッチハイクのうまいやり方」、「キノコで紙を作る方法」など、楽しいコラムが満載で、単純に読み物としてもなかなか面白い一冊かと。
「お金とのほどよい距離感」について「楽しく考え、学べる」。そんな良書です!
2012年04月04日
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ぼくは以前、田坂広志先生に話を聞いたことがあります。ちなみに菅内閣の参謀に就任前です。
彼いわく、社会は螺旋階段を登るように変化していく。大昔は贈与経済だった。それが物々交換経済になり、いまは貨幣経済になっている。そして再び贈与経済に戻っている。ネットの情報は無料だし、ボランティアも無料の労働力提供ですよね。NPOや社会企業も、自分が食える程度に稼ぎ、それ以上はガツガツしない。
ファッションの流行循環が30年周期とすると、経済の社会変化は1000年周期で螺旋を一周するようです。
また、ぼくの知人に、面白い取り組みをしている人がいますよ。薪割りをして、薪一本を単位とするお金にして、仲間うちで物々交換しようというものです。ランバージャックスと名乗っています。http://kakogawawatcher.blog54.fc2.com/blog-entry-858.html
田舎って物々交換しますよね。畑で出来た作物をご近所にあげるとか。野村克也がプロ野球で儲けた金を故郷の母に送る。母が亡くなったとき、お金は手付かずで仏壇に貯められていたとか。これって、田畑があると自給自足できるので、大して現金は不要だ(息子が送ってくれる現金なしで暮らせた)ということですよね。
お金って、大切だけど、結局は幻想ですよ。そして幻想に踊らされているとも言える。ま、幻想するからこそ人間だともいえますがね。豚の耳に念仏と同じで、豚のエサに万札とも言えそうですね。
長くなってしまいました。失礼します。
うちもタマネギ1つを単位にした、オニオンというローカル通貨でも作ろうかな(笑)。
確かに、お金なんてある意味幻想。タマネギの方がイザとなったら食べられていいと思うけどなぁ〜。
ある程度貯蔵も利きますし(笑)。