![幸せなご臨終―「医者」の手にかかって死なない死に方 [単行本] / 中村 仁一 (著); 講談社 (刊) 幸せなご臨終―「医者」の手にかかって死なない死に方 [単行本] / 中村 仁一 (著); 講談社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51JMWQAHQ1L._SL160_.jpg)
幸せなご臨終―「医者」の手にかかって死なない死に方 [単行本] / 中村 仁一 (著); 講談...
「人間は生まれつき、余命約80年の病に侵されている」とはよく使われる表現ですが、最近つくづく「人間いつかは死ぬもの」と考えることが大事だな〜なんて思ったりします。
いつかは訪れる死をきちんと理解することが、今ある「生」をより輝かしいものにする。そんな一面もあるんではないか、なんて考えたりします。…ってちょっと深すぎて、自分のキャラではない気もしますけど(笑)。
さて、そんな人間の死生観、とりわけ医療との関わり方について書き記した著書がこの『幸せなご臨終』。著者は中村仁一氏…と聞いてピンとくる方もいらっしゃると思いますが、ベストセラー『大往生したけりゃ医者とかかわるな』を書いた先生です。
副題は、「医者」の手にかかって死なない死に方。『大往生したけりゃ医者とかかわるな』ほど売れてはいないと思いますが、やはりその当時の医療界のあり方に一石を投じた、ある意味での問題作だったんだろうと思います。
ただ、いかんせん書かれたのが1998年。図書館で借りたとはいえ、あまりにも時が流れすぎております。本の中には「がんで死ぬのがいい」的な内容が書かれていますが、当時とは比べものにならないぐらい医療も進歩していると思いますし、当時であればかなりの高確率で死んでいた病気が、かなり治るモノになっている可能性も大いにあります。
ただ終始、医療に対する絶対的信仰を捨て、もっと人間らしい死のあり方を選択してもいいでは、というスタンスで書かれた本書には、時代を経た今もなお、考えさせられることがたくさんあるはず。
数年寿命を伸ばすために治療をするのか、はたまた、積極的な延命治療を拒んで自然な死の訪れを受け入れるのか。
個人の宗教観にも絡む難しい問題ですが、個人的には、死をあるがままに受け入れらるような、心の準備だけはきちんとしておきたいなと思います。
そう、今ある「生」を大切に生きるためにも。