それにしても、葬式には、不思議が多い。
葬式は、要らない (幻冬舎新書) [新書] / 島田 裕巳 (著); 幻冬舎 (刊)
実は先日、豊橋に住む僕の祖母が亡くなり、当然のように地元の祭儀場でお葬式をしたんですけど、その時、「なぜ、お葬式ってするんだろう」という思いが沸々とわいてきました。
というわけで、手に取ったのがこの一冊。『葬式は、要らない』。なんと直球なメッセージ。。。
でも、実際の本の内容はちょっと趣が違っていて、なんで今のような葬式になったのかを、歴史をひも解きなながら丁寧に紹介。通常、新書の内容にはあんまり期待しないんですけど、これはなかなかの良書だと思います。
特に興味を引いたのが、「戒名」。みなさん、不思議に思いませんか? 普段あんまりお目にかかったことがないようなお坊さんが突然出現し、本人の人生を振り返りながらつけました、と語って紹介するアレ。なんでもこれって、お坊さんにきちんと指導する機会があるわけはなく、かなり適当な部分が多い代物なんだそうな。
戒名とは、もともと出家する時に名乗る名前らしくて、そもそも亡くなった時に付けるという行為自体が不自然なものらしいんですけど、この戒名を付ける代金が、地元のお寺を守るための大きな資金源になっているみたいですから、お寺の文化を守るためには、一概に「無くしてしまえ!」と言えるような簡単な問題ではないんだとか。
とまあ、お葬式→要らない!という単純な主張ではなく、「お葬式とは?」「日本の仏教とは?」など、いろんなことが学べる一冊。宗教学者の方ならではの、なかなか面白い本だなと思います。もしこっち方面にご興味にある方はぜひ。僕はこの方が書いた『戒名』という本を読んで、次は「自作の戒名」にチャレンジしてみようかな、と。
2012年07月05日
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わたしも、昨春、祖母がなくなり、喪主を務めました(父が寝たきりのため)。
母が実際は取り仕切ったのですが、○○料、○○料とか、幾袋も包んで、用意していました。
世の中のことは大概そうだけど、一概に○○と言えることは無い。なかなか難しいですね。
そうですね。なかなか難しい。でも、だからこそ世の中のことを知るのは面白いのかな、とも思います。