2012年07月11日

独立国家のつくりかた。

さらりと、スゴイこといってます、このタイトル。

独立国家のつくりかた (講談社現代新書) [新書] / 坂口 恭平 (著); 講談社 (刊)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書) [新書] / 坂口 恭平 (著); 講談社 (刊)

先日、『アシタスイッチ』というテレビ番組で、作家・石田衣良さんと対談していたので、ご存知の方もかなり多いんじゃないかと思いますけど、今や話題の人になりつつある、坂口恭平さんの最新著書『独立国家のつくりかた』です。

全く知らない方のために少し説明しますと、坂口さんは元々建築家を目指して大学に進学するものの、既存の建築に対する矛盾から、ふと目にとまったホームレスの家に興味を抱き、その生活ぶりを細かく取材。その記録をまとめた写真集『0円ハウス』で注目を集めるように。精力的に執筆&アート活動を展開するほか、「新政府の総理大臣」を勝手に名乗るなど、今や社会活動家としても注目される異色の人物です。

以前にも坂口さんの著書『ゼロから始める都市型狩猟採種生活』を読んで「こんなすげぇ人がいるんだ!」なんて思っていたんですけど、現在34歳…って僕と同い年じゃん!なんて妙に驚いてしまい、もっと僕も頑張らんといかんな〜なんて思った次第です。

※ちなみに以前の紹介記事はこちら。→

ごめんなさい。冒頭から話があちこちに飛びました。。。

ところで、

みなさんは、現在の日本社会をどんな風に見ていますか。

著者の坂口さんは、子どもの時からこんな疑問を抱いていたそうです。※以下、まえがきより引用。


1 なぜ人間だけがお金がないと生きのびることができないのか。そして、それは本当なのか。

2 毎月家賃を払っているが、なぜ大地にではなく、大家さんに払うのか。

3 車のバッテリーでほとんどの電化製品が動くのに、なぜ原発をつくるまで大量な電気が必要なのか。

4 土地基本法には投機目的で土地を取引するなと書いてあるのに、なぜ不動産屋は摘発されないのか。

5 僕たちがお金と呼んでいるものは日本銀行が発行している債券なのに、なぜ人間は日本銀行券をもらうと涙を流してまで喜んでしまうのか。

6 庭にビワやミカンの木があるのに、なぜ人間はお金がないと死ぬと勝手に思いこんでいるのか。

7 日本国が生存権を守っているとしたら路上生活者がゼロのはずだが、なぜこんなにも野宿者が多く、さらには小さな小屋を立建てる権利さえ剥奪されているのか。

8 2008年時点で日本の空き家率は13・1%。野村総合研究所の予測では、2040年にはそれが43%に達するというのに、なぜ今も家が次々と建てられているのか。


う〜ん、思わず唸ってしまいます。。。

本の内容自体は、坂口さんの日記(ブログ?)をまとめたものらしく、ご自身の思想や理念を表現した部分が多い感じがしますし、なんだかある意味「新興宗教?」みたいな部分もあるので、好みはちょっと分かれるかな、なんて印象ですが、普段何気なく過ごしている「貨幣社会」を考え直す意味では、とても有意義な良書ではないかと思います。

お金なんて、単なる交換のためのツールにすぎないはずなのに、なんだかそこに依存してしまう。お金との適度な距離感が大事ということなのかもしれないですね。

確かにお金というのは「良くできた便利なツール」です。ただ、坂口さんじゃないけど、円という交換ツールとは違った「物やサービスの交換方法」が地域単位が構築され、「貨幣との両輪」で社会が回るようになれば、もっと人と人とが密につながり、幸せを実感できる世の中がつくれるんじゃないかな、なんて勝手に夢想していたりします。
posted by もっぴ at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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