ギャンブルではありません。ビジネスの話。
小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密 [単行本] / ピーター・シムズ (著); ...
ブログの日記更新と同じく書評の方もすっかり手つかずの状態が続いていましたが、この3連休くらいは少しだけ本のご紹介でもしてみようかな、と思います。
というわけで早速。しばらく前に読んだ本になりますが、『小さく賭けろ!世界を変えた人と組織の成功の秘密』という一冊をご紹介します。
著者のプロフィールを見てみると、なんでもハーバード・ビジネス・レビュー、フォーチュンなどで執筆し、ロイターなどのブログでライターを務めている方だそうな。まあ、だいぶ毛色は違いますが、いわゆる同業者の方のようです。
本書の中が語っているのは、ビジネスを成功に導くためには「失敗を恐れず試行錯誤を繰り返せ」ということ。『小さく賭けろ!』というタイトルでも、暗に示されている通りの内容です。
もちろん、行き当たりばったりで的外れな方法ばかりを繰り返していては、成功まで辿りつくことは難しいと思いますが、単なるアイデアよりも、まずは行動して試行錯誤を繰り返すことが重要だ、と説いています。
仕事柄、一部上場企業から中小企業、個人事業主にいたるまで、いろんなジャンルの経営者の方にお会いする機会がありますが、本書が指摘するように、成功した人が必ずしも素晴らしいアイデアを持っていたかというと、それはノーだと痛感します。
意外と周りに流されながら、与えられた仕事に打ち込むうちに、徐々に成功の糸口を掴んでいった――。そんなタイプが多いような気がします。
著者の主観の偏りや「後知恵バイアス」が掛かっていることも加味して考えないといけませんが、起業はしたいけどどうしても踏ん切りがつかないといった方には、「独創的なアイデアや完璧な事業プランがないとダメ」という呪縛から解放され、背中をポンと押してくれる良書なのでは、なんて思います。
…もっとも、創業するには相応のリスクが伴いますので、最低限のリスクヘッジ(個人事業主なら当面の生活費を確保しておく、とりあえず副業で始めてみる、とか)は考えておいた方がいいと思いますけど。
ここ2〜3年は、自分のなかでも「失敗すること」を目標に掲げているんですけど、本書を読むことで、年齢的にもそろそろ安全パイを求めがちになる自分を奮い立たせ、「失敗=成長」という意識を再認識させられたような思いがします。
最後に、本の中から少しだけご紹介。
「私の戦略は昔から決まっている――間違うならできるだけ素早く間違えろ。言い換えれば、『われわれは誰でも間違える。さっさとそれを認めればよい』ということだ。間違えることを恐れてはならない。早く間違えれば、それだけ正しい解答を得るのも早くなる。思春期を過ぎずに大人になることはできない。私は最初から正しいやり方をすることは、できないかもしれない。しかし、非常に早い時期に、間違ったやり方をすることはできる」
ピクサーの長編アニメ、『ファインディング・ニモ』などで監督を務めたアンドルー・スタントンの言葉。
「優れた作家は必ずつまらない初稿を書く」
作家 アン・ラモット
…それにしても「つまらない初稿」とは。。。う〜ん、担当者に怒られそうだな(苦笑)
2012年10月07日
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