![「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー [単行本] / 高橋 秀実 (著); 新潮社 (刊) 「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー [単行本] / 高橋 秀実 (著); 新潮社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51wkwBxk0BL._SL160_.jpg)
「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー [単行本] / 高橋 秀実 (著); 新潮社...
いや〜、すったもんだで参加となったWBCですが、そんな事前のゴタゴタはどこ吹く風、すっかり盛り上がっていますね! 毎試合のようにハラハラドキドキの激戦を見せられ、しばらく野球観戦を遠ざかり気味だった僕もすっかり釘付けです! しかも、中日・井端選手が大活躍とあらば、盛り上がらないわけにはいかないでしょう!
…というわけで(?)、しばらくぶりの本のご紹介。野球ネタということで近頃話題の一冊です。『弱くても勝てます』。エリート校として有名な開成高校の野球部を追ったルポです。
どうやら開成高校、東大合格者を多数輩出する進学校でありながら、その野球部は、強豪ひしめく東京でベスト16に入ったこともあるんだそうな。でも、グランドで練習できるのは週に1回。そんな不思議な存在を取材してまとめたのがこの本です。
監督が目指すのは、どさくさにまぎれてコールド勝ち(笑)。守備はあえて捨てて、相手が油断しているうちに一気呵成に攻め立ててコールド勝ちに持ち込む。よくいえば「弱者の兵法」といえなくもありませんが、弱者が選ぶ戦略としては、あまりに突拍子もない代物なのです。
しかも、その戦略を実行に移す選手たちが、個性的で面白い。野球に情熱があるんだかないんだか分からない子がいたと思えば、本気で大リーグを目指している子もいたり。そのまま映画になりそうなユニークな顔ぶれが揃っています。
プロ野球とは土俵の違う一冊ですけど、また違った角度で野球を楽しめること請け合い。3月下旬にはセンバツも始まりますし、今年の球春は、この一冊で盛り上げてみてはいかがでしょう?
野村克也氏は、「野球とは確率の高い打ち手を選ぶスポーツである」と言っています。が、開成は「確率×インパクトの最大値を選択するスポーツである」と。
野村監督なら、たとえ10点が望めても確率0・1の戦法は取らないが、開成は、確率が0・1でも、インパクトが10点なら、その戦法と取る、と。
野球の玄人からは白眼視されそうですが、十分に弱者の兵法です。桶狭間ですね。
野村監督の理論はうなずくポイントが多いんですけど、短期決戦は正論だけでは上手くいかないのがまた面白いところですよね。
WBCもそうですし、メンタル面が発展途上の高校野球ならなおのこと、ですね。
弱者のフリーライターも、それ相応の戦法が必要、ということでしょうか(笑) …短期決戦ではないですけど。
きちんと戦法になっていればいいですけど。いや、戦法にしなきゃいかんですね!