![新潮新書 神門善久 新潮社発行年月:2012年09月 予約締切日:2012年09月12日 ページ数:237p サイズ:新書 ISBN:9784106104886 神門善久(ゴウドヨシヒサ)1962(昭和37)年島根県松江市生まれ。京都大学博士(農学)。明治学院大学経済学部教授。独自のネットワークを駆使して農業の研究を続ける。著書に、『日本の食と農』(サントリー学芸賞、日経BP・BizTech図書賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 第1章 日本農業の虚構/第2章 農業論議における三つの罠/第3章 技能こそが生き残る道/第4章 技能はなぜ崩壊したのか/第5章 むかし満州いま農業/第6章 農政改革の空騒ぎ/第7章 技能は蘇るか/終章 日本農業への遺言 「有機栽培」「規制緩和」「企業の参入」等のキーワードをちりばめて、マスコミ、識者が持て囃す「農業ブーム」は虚妄に満ちている。日本農業は、良い農産物を作る魂を失い、宣伝と演出で誤魔化すハリボテ農業になりつつあるのだから。JAや農水省を悪者にしても事態は解決しない。農家、農地、消費者の惨状に正しく絶望する。そこからしか農業再生はありえないのだ。徹底したリアリズムに基づく激烈なる日本農業論。 本 ビジネス・経済・就職 産業 農業・畜産業 日本農業への正しい絶望法 [ 神門善久 ]](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F4886%2F9784106104886.jpg%3F_ex%3D160x160&m=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F4886%2F9784106104886.jpg%3F_ex%3D160x160)
日本農業への正しい絶望法 [ 神門善久 ]
前回の本が農業でしたし、著者の神門善久さんが昨日の日経新聞朝刊に寄稿されていたので、今日は、昨年ちょっと話題になった『日本農業への正しい絶望法』です。
なんとも刺激的なタイトルですが、本の内容をざっくりまとめると以下の4点(終章より引用)。
@日本農業の本来の強みは技能集約型農業にある。
A耕作技能の発信基地化することにより、農業振興はもちろん、国民の健康増進、国土の環境保全、国際的貢献など、さまざまな好ましい効果が期待できる。
Bしかし、その農地利用の乱れという「川上問題」、消費者の舌の劣化という「川下問題」、放射能汚染問題の三つが原因となって、農業者が耕作技能の習熟に専念できず、肝心の耕作技能は消失の危機にある。
Cマスコミや「識者」は耕作技能の消失という問題の本質を直視せず、現状逃避的に日本農業を美化するばかりで、耕作技能の低下を助長している。
※詳しくは「神門善久」で検索すれば、いっぱい記事が出てきます。
自分も就農して分かったことは、やはり日本の農業は危機的状況だということ。地元・一宮市でも、圧倒的な高齢化が進んでいますし、本書が指摘するように、日本の農業は確かに「絶望」と表現するに相応しい事態だと思います。とくに、技術継承という意味では、すでに長年培われてきた農業技術が継承されないまま消えている公算が高く、これになんとか歯止めをかけないと、「農業をなんとかしよう!」と思い立った時にはすでに手遅れ、となりかねません。(もう手遅れな感は否めませんが…)
そんなわけで、僕も、地元に伝わるタマネギ採種の技術を「なんとか伝承していかねば」と参入したわけですが、同じような志を持って、とにかく始めてくれる方が増えてくれることを切に願います! 生物の絶滅危惧も大事だと思いますが、こうした「技術の絶滅危惧」に目を向けることも大事だと思うんだけどなぁ〜。
平時は農業、戦時は武士…みたいなことが昔もあったようですし、この際、兼業でもなんでもいいので、みんながもっと「人間が生きるための基本技能」に注目したら面白いと思うんだけど。まだまだ未熟な僕が言うのもなんですけどね。何かの雑誌にも寄稿した気がしますけど、インフレリスクがくすぶる昨今、リスクヘッジの意味でも、食糧自給のスキルは活きると思いますし。
日本の食糧自給率が40%だ!と騒ぐまえに、自分自身の食糧自給率を40%超にしてみる。そんなことから始めてみてもいいような気がします。とにかく変わるといいな、日本の農業。
> 自分自身の食糧自給率を40%超にしてみ
> る。
なるほど、面白い発想ですね。耕作地のない都市は無理でも、ちょっと郊外に行けば、可能ですよね。
農業が「仕事」になると重苦しく感じますが、「レジャー」「アウトドア」と捉えると楽しめますよね。
食糧自給率40%なんて、簡単に達成できますよ! レジャーにもなるし、きっと楽しいと思うなぁ〜。
都会では、なかなか畑がないみたいですけど、プランターでも結構イケますよ、きっと。でも、僕は枯らしてしまうと思いますが(笑)