
ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門|坪田一男|文藝春秋|送料無料
先日ふと立ち読みした経済誌で、アートディレクターの佐藤可士和さんがお勧めに挙げていたのを発見。タイトルが気になったので読んでみることにしました。…と、特に佐藤さんのファンとかそういうんではないんですけど。。
さて、本の中身ですが、タイトルそのまま「ごきげん」について書かれています。最近は科学的にも「病は気から」が立証されてきていて、いろんな分野で気分が大事な要素を占めていることが判明してきています。そんな最近の「ごきげん事情」を、ざっと一冊にまとめ上げたという感じです。
ところで、皆さんは、今の年収に満足していますか? 一般に年収が高ければ「幸せ」の度合いは増していくものだと考えられる向きがありますが、2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン博士の研究によれば、年収増加に応じて「生活評価」は高まるものの、「幸福度」については年収7万5000ドル程度で頭打ちになるそうです。
仮に1ドル100円とすると、年収750万円。まあ、これでも十分に高い数字ではありますが、年収が上がれば上がるほど幸せが実感できる、というものではどうやらないようです。
このお話はかなり有名なのでご存知の方も多いと思いますが、『ごきげん…』内では他の研究についても簡単に紹介されていて、面白かったのが「どんな時に幸せを感じるか」「不幸だと思うか」を調査した結果。
日常生活における「幸福度」に最も影響するのは、「睡眠」と、「上司」! 「上司」は「結婚」よりも圧倒的に幸福感に影響するようです。
転職者の取材をしていて、結構「人間関係で辞めた」という人が多いのも、なるほど納得!といったところでしょうか。
このほかにも、「ポジティブとネガティブの黄金比率は3:1」とか、「不幸せだと、老化時計“テロメア”が短くなる」とか、ごきげんにまつわるトピックが満載です。
最後の方にある「幸せになる方法」は、自己啓発的要素が強くて好みが分かれるかもしれませんが、「運動」「食事」なんて項目もあって、日々の生活改善にも役立つかと(まあ、当たり前なことが多い気がしなくもないですけど)。
ともあれ、新書で値段も手ごろですから、読んで損はしない一冊だと思います。
これで僕のごきげん具合にも、さらに磨きがかかりそうです。
…ん? 「これ以上かよ!」って???