2013年10月05日

里山資本主義。

里山というと、一宮市は違うのかなぁ。。。

里山資本主義 [ 藻谷浩介 ]

里山資本主義 [ 藻谷浩介 ]

何気なく書店の平済みコーナーを眺めていた時に、タイトルの「里山」というフレーズと、「10万部突破!」の帯に目が止まって購入した一冊です。10万部突破に惹かれたなんて、いかにもミーハーな感じがしてなんだかなぁ〜という感じがしますけど。

さて、本のタイトルは『里山資本主義』。どうもNHKの記者さんと、『デフレの正体』でベストセラーとなった藻谷浩介さんとの共著になっているようですが、元々はテレビ番組向けの取材がベースになってるようですね。中国地方にあるいつくつかの企業や、田舎暮らしを始めて成功している人などを事例として取り上げ、現在の「マネー資本主義」のあり方、行く末に一石を投じる、といった感じの内容になっています。

木質バイオマス発電に取り組む建築材メーカーだったり、林業で独自技術を磨くオーストリアを紹介したり、離島で新たな商売を始める若者達を追ってみたり。田舎でも立派に生活やビジネスが成立し、そこに関わる人がなんだか豊かに見える。そんなライフスタイルは、なかなか目から鱗でした。

で、最終的には、これからは「マネー資本主義」ばかりを追求するのではなく、今田舎で巻き起こっているような貨幣に依存しすぎない自立型のビジネスやライフスタイルを「里山資本主義」として捉え、こちらを「マネー資本主義」を補完するサブシステムにしていきましょうよ、と問いかけています。

「里山資本主義」かぁ〜。「里山」というネーミングはともかく、その考え方には共感する部分が多いです。

ただ、個人的には、だからといってがっつりド田舎に入ってしまうと「田舎が疲れた」ってなった時に戻るのが難しいので、地元・一宮市みたいな「半田舎」がちょうどいいロケーションじゃないかという気がします。都会との接点が適度に保たれ、周りには自然もそれなりに残され、人とのつながりもむちゃくちゃ濃密じゃない。そんな状況の方が、マネー資本主義をメインで回しながら、著者がいう「里山資本主義」をサブシステムでうまく機能させる二刀流ライフがうまくいくように思います。

なんだか「里山資本主義」と命名してしまうと、社会を巻き込んでという大仰な話になっちゃいますけど、僕が個人的に目指しているのは、一人ひとりがマネー資本主義に振り回されないための知識を身につけ、その果実を効率良く享受しつつ、適度なサブシステムを「脱・マネー資本主義」で持つこと。

社会を変えよう!的な志がないところに、僕の人間の小ささが露呈している感は否めませんが(笑)、これぐらいのゆるいスタンスでみんなの意識が少しずつ変わっていくと、もっと楽しく生きられる日本になるんじゃないかと思います。

…と、だいぶ本の内容から逸れてしまいましたが、いずれにしても、今のお金中心の社会を見直す意味で、なかなか考えさせられる一冊だとは思います。あくまで成功事例ばかりなので、この本を読んで「いざ!田舎!」なんてのは絶対お勧めしませんが。

もし田舎暮らしがしたいなら、「田舎は散々だった!」本をいくつか読んで、メリット・デメリットをバランスよく評価した方がいいと思います。ある程度の「勢い」は必要かもしれませんけどね。


それにしても、本の中でかなりを割いていたのが「発電」の話。今年から農地にも公式に太陽光パネルが設置できるようになったので、僕も耕作放棄地でも買い取って、発電事業に本格参入しようかな、なんて。

「タマネギの種」から、「電気」農家へ(笑)。 意外と笑えない未来の農家像かもしれません。。。

posted by もっぴ at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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