ほとんど、農業の本でした。
(株)貧困大国アメリカ (岩波新書) -
『ルポ 貧困大国アメリカ』という新書の存在は以前から知っておりまして、ネットで見てみると評価も高いので、機会があればぜひ読んでみよ!と思っていたところ、時間が空いて書店に寄ってみると、こちらが平積みに。『ルポ…』の方から読んだ方がいいのでは?とも思いましたが無かったので、せっかくだからと読んでみることにしました。
もっと金融がらみのお話なんじゃないかなんて勝手に想像していましたが、前半のほとんどが農業のお話。しかも、遺伝子組み換え種子、そう、なんだか他人事とは思えない種にまつわる問題が取り上げられておりました。
ざっくり要約すると、アグリビジネス分野の大企業が、遺伝子組み換え種子を農業支援の名目で海外にばらまき、ご当地の在来品種(昔からあるご当地の作物)の種を駆逐。農薬に強い品種をつくることで、農作業を劇的に効率化しますよと宣伝して除草剤をセット販売、その種代や農薬代が発展途上国の農家を圧迫し、そこへ大規模な農業法人が進出…とまあ、読むだけでなんだか空恐ろしくなるようなストーリーです。
僕が書いたわけではないですから、細かな真偽の程はわかりませんが、大規模農業の行き着く先は日本でもこうなるんじゃないか、と農業に携わるものの「皮膚感覚」としては思ったりします。
だって、種を押さえらたら、どうしようもないですから。そういう意味では、種を作る農家というのは、あながち間違った選択ではなかったのかも、ですね。
グローバル資本主義に絡め取られてしまうと、これからは食うにも困るような時代がやってくる、かもしれません。資本主義の荒波の中でも、確固たる自分の立ち位置が見つけ続けられる方はいいですが、「ちょっと不安…」という方は、お米や野菜を育て、自分で種を取るくらいの技術は、有事のライフラインとして覚えておいて損はないのでは、なんて。
『グローバル資本主義から離脱して生きるための「採種力」』。
…う〜ん、残念ながらニッチすぎて本にはなりそうもないな。。。
2014年07月03日
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