
死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る〈2〉 -
仕事を兼ねて、家族と一緒に三重県津市にある「三重県総合博物館」に足を運んだところ、子ども向けのコーナーに、ちょっとした絵本や図鑑を集めた書棚がありまして、そこで偶然に嫁さんが見つけたのがこの本。
タイトルがなかなか衝撃的ですよね。『死を食べる』。どうやら長年、動物写真家として活躍されている方が出した一冊のようです。
その中身は?というと、メインは偶然見つけたキツネの死骸を、定点カメラで撮影し続けた写真の紹介です。
もし食事中の方がいたら先に謝っておきますが、具体的には、キツネの死骸にハエがたかり、鳥や虫たちに肉をついばまれ、その後、体内から大量のウジが溢れ…と、なんともすさまじい姿が収められています。
そのほかにも、動物や魚たちの死骸の写真が並びます。そして、その死骸に群がり、自らの生きる糧を得ている、虫、鳥、動物たち…。
そして、最後の1枚は、スーパーの売り場でよく見かけるパック詰めの刺身、です。
私たち人間も、死を食べ、生きているんだ――。
そんなメッセージが強烈に伝わってくる素晴らしい一冊だと思います。
読了まで正味、10分程度。 機会があれば、ぜひご一読を!
西日本新聞社の「いのちをいただく」も、いいですよ。10分で読めます。
同社では「シリーズ日本の食卓」もいい。ロングエッグをご存知ですか? 俺は驚きました。コンビニの賞味期限切れ食品をブタに与えると、豚が体調不良になるとか、具体的で、エグいエピソード満載です。
でも、こうした本で、ヤバい事実を知っても、日々の生活では簡便な食に頼ってしまう現代人。情けなし。もっぴさんのように自ら農業に携わるわけでない。都会人の哀しさです。
数年前ですが「いのちをいただく」を、当時小5〜6だった長女に勧めました。感想を聞くと、「べつに」でした。彼女の本心は、どうか? 聞きません。聞くと反発を招くだけだから。
食生活も難しいが、子育ても難しいです。
「いのちをいただく」、面白そうですね。今度ぜひ読んでみます。
実は『死を食べる』は衝撃的な写真の連続だったので、その場では子どもに見せませんでした。でも、きっと見せたとしても「別に」だったと思います。普段、一緒に野菜を収穫していても、すぐに飽きてしまいますし。
子育てって本当に難しいですね。親の思惑通りにはいかない…。
ただ、親としては、いろんなものを見たり体験したりする中で、少しでも記憶の片隅に残り、何かを感じてもらえたらいいな、なんて思います。
ただただ淡々と生きるのみです。
気に入らぬ風もあろうに柳かな(義凡)。
そんな心境で生きたいです。
無性に反応が欲しくなる僕は、まだまだかな、と(笑)