リスクを取らないリスク -
どうも、名古屋のフリーライターの平井です。
今日は、たまった既読本の中から、少しだけご紹介をしたいと思います。
『リスクを取らないリスク』です。
著者の方は、どうやらニューヨーク・ウォール街で
ファンドマネジャーをされている方のようです。
僕は普段、あんまりテレビを見ないのですが
どうやら『ワールドビジネスサテライト』にもご出演の方みたいですね。
日本人は、「リスクを取らない人が多い」とよく言われますが、
その「リスクを取らない危うさ」を、国家財政や年金制度など、
色んな角度から「やばいぜ!」と紹介した一冊になっております。
そもそも手に取ったのは、ビジネス書の書評欄がきっかけ。
アマゾンのレビューを見ても、オール5ということで、
これは名著の予感!なんて喜び勇んで飛びついたのですが、
個人的には、ちょっと物足りなかったかな、という印象です。
だいたい本の3分の2くらいが、
「やばいよやばいよ!」と「リスクを取らない危険」を解説し、
最後の3分の1が、「じゃあどうするのよ!}という解決策。
そんな構成になっておりますが、
今さら、年金がやばいとか、日本の財政が厳しいとか、
果ては、やっぱり資本主義はいいシステムだよね、と言われても、
「まあ、それは分かっているよね…」という感じが強いです。
もちろん、その解説部分が詳しくて、なかなか勉強にはなるんですけど。
しかも、3分の1の「リスクの取り方」の部分においては、
「私が運用している投資信託が楽天証券で購入できます」なんて、
しれっとCMを入れこんでいたりするのが、なんとも巧みです(笑)
いかんいかん、どんどんと批判色が強くなってきた感が。。。
いや、面白いですよ、基本。
今後の人口動態を見ると不動産投資は厳しそうとか、
やっぱり株式投資がいいよね、というあたりはもちろん共感できますし、
生命保険のムダを指摘するくだりは、大切な視点だと僕も思います。
(異論をはさみたい部分も結構ありますけど…)
でも、「リスクがいかに大きいか?」の解説に分量が裂かれてしまい、
肝心の「リスクの取り方」部分が、浅くなってしまった印象は否めません。
できれば、このあたりについてもっと深く突っ込んだものを
読んでみたかったかな〜、というのが率直な感想でしょうか。
まあ、「レビューがオール5」というのが期待値を上げてしまっただけで、
普通に読んでタメになることは間違いないと思います。
ところで、みなさんは最近、本を読んでいますか?
本を読まないことも、
ある意味、リスクを取らないリスクです。
…なんて、業界関係者のフリーライターがいう言葉には、要注意です(笑)
極度のリスク回避も考えものですが、
リスクテイクを煽るような文言には、
くれぐれも慎重になりたいものです。
ちなみに本の購入は、「ローリスク・ミドルリターン」ぐらいだと思うので、
自分の「人的資本」を高めるための投資先としては、
なかなか魅力的だと思いますけど。
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