結局、僕の場合は、「加速」してる気がするけど。。。
減速して自由に生きる: ダウンシフターズ (ちくま文庫) [文庫] / 高坂 勝 (著); 筑...あああああ、忙しい、忙しい、忙しい! はぁ〜、ちょっとすっきりした(笑)。
「忙しい」は「心を亡くすこと」だからイカン!なんて話を聞くことが多いけど、だって、しょうがないじゃん、忙しいものは忙しい!
と、こんな僕にご依頼を頂けることに感謝し、心を亡くさないよう精一杯、忙しさを堪能している今日この頃です。…単なる「増税前の駆け込み需要」だとしたら、4月以降がちょっと怖いですが。。
毎度毎度のことながら、忙しさにかまけてブログの更新がすっかり停滞中。というわけで、日曜日の朝の時間を利用して、ちょっとだけ記事を書いてみようかなと思った次第です。こんなブログでも、結構楽しみにしてくれている方がいるみたいですから(…恐縮です)。
さて、本日の一冊は、昨年末あたりに読了した文庫本から。高坂勝さんの著書『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』です。なかなか楽しく読ませていただきました。
この高坂さん、東京都内で『たまにはTSUKIでも眺めましょ』という一風変わった店名のバーを営む飲食店オーナーさんのようで、その経営スタイルというか、生き方にフォーカスした自伝的な一冊がこの本です。
冒頭は、日々の仕事に忙殺されていたサラリーマン時代の回顧録が続き、その後、第3章あたりから、個人事業主としてどのような生き方をしていけばいいのかについて、氏が考えた具体的な戦略などを細かく紹介しています。
その戦略をざっくり言うと、ほどほどの暮らしができる年収はどれぐらいかを割り出し、そこからビジネスの原価率を加味しながら、必要となる売上をはじき出す。さらに、その売上を達成するためには、1日どれだけの集客、仕事量がいるのかを計算していく。そんな感じでしょうか。
そして、著者の戦略が面白いなと思うのが、「目標売上を超えないように頑張ること」。時間的・精神的にゆとりのある生活を送るため、あえて稼ごうとせず、「ほどほど」を追求するというのです。
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僕も経営者のはしくれですが(まあ、零細の個人事業主ですけど)、どうしても売上アップばかり考えてしまいがちで、僕なんかはダウンシフターの粋にはまだまだ程遠いな、と思います。事実、サラリーマン時代よりも(といっても10年以上前ですが)、確実にシフトアップしちゃってますから。
でも、あんまり売上を上げすぎちゃうと、結局どこかで無理がたたってきてしまう。何事も「足るを知る」が大切だ、ということなんでしょうね。
ちなみにこの高坂さん、本書の中で「総自営業的社会」を提唱していると書いているんですけど、僕も「最近、仕事が大変で…」と話す若いサラリーマン諸氏をつかまえては、「独立したら?」なんて説いているので、この点では激しく共感します。
しかも、生活の中に農業を組み入れて、自給自足的な暮らしを実践されているんだそうな。う〜ん、業種は違いますけど、なんだか僕とそっくりだ(笑)。
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ダウンシフトするかどうかはさておき、サラリーマンって、感覚的には、目的地が定かではない高速バスに相乗りしてる感覚だと思うんですよね。
会社という高速バスに乗っている間は、自分で運転しなくてもいいですから、なんだか居心地はいい。けれど、舵取りを任された運転手=経営者の目指すべき方向性が正解かどうかは、あんまり分からない。適切なスピードかも、時代というレールにきちんと乗っかっているかどうかすらも。
優秀な運転手=経営者に恵まれた人はいいかもしれないけれど、「恵まれたかどうか」なんて、これだけ不確定要素が多い時代、単なる結果論でしかないと思います。
それならば、自分でハンドルを握り、自由にシフトチェンジする。アップ・ダウンは人それぞれでいいと思いますが、自分で「こっちだ!」と思った方向へと走り始めた方が、意外と安全なのでは、なんて気がします。
もちろん、自らハンドルを握るということは、運転技術もいるでしょうし、目的地を見定めるための努力も続けないといけない。それなりに大変ではあると思いますが。
だけど、なんだかそれが、すこぶる楽しかったりするんですよねぇ〜。
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…すみません、少し脱線しましたが、この本、自分の好きなことをしてほどほどに暮らす生活を目指している方にとっては、とても参考になると思います。
特に今後、消費税が段階的に増税されてくると、売上を1000万円以下に抑え、免税事業者の枠内で時間短縮と利益率を高めて効率的な経営を図るという考え方は、さらに活きてくるのではと思います。
うまく税を逃れるようなやり方には、「既存の社会にパラサイトしているだけでは?」なんて批判もありそうですが、それはそれでルールを知るというのは有意義なことだと僕は思います。それ以外にも、サラリーマン生活をいつかは抜け出したいという方にとって、普段なかなか発見できない独立のアイデアや、新たな着眼点に気付けたりする内容が多くて、きっと面白いと思います。
詳しい内容は本を読んでもらえばと思いますが、最終章で紹介されている好きなことで自立するためのハウツーから、そのエッセンスだけでも少々。
1、借金しない
2、開業は商品券で
3、ライフスタイル基準金額
4、大量消費型生活から降りること
5、ミニマム主義 〜スモールメリットが活かせる適正規模〜
6、余計な設備投資はしない 〜Do it yourself 〜/中古/買う
7、引き算思考
8、稼がない自由
9、友産友消
10、真似られ上手/手放し上手
11、セルシェアリング/商売の分かち合い
12、マルチブル・インカム(月3万円ビジネス/持ち寄り家計)
13、商売多様性/使命多様性
14、好きなことを全て入れてオンリーワン
15、人をつなぐための場にする
16、市街地と周辺農山漁村を繋げる
17、心の効率性
詳しい内容を見てみると、なるほどねぇ〜と納得されることも多いと思いますよ。
ちなみに、僕なりの独立のハウツーは、
・酒とギャンブルと女遊びにおぼれない。
・借金はしない(住宅ローンも慎重に!)
そして、
・仕事と女房に惚れよ!
最後は、80歳を超える農業のお師匠さんからの言葉です(笑)。
もちろん、サラリーマン生活だって、向いている人も多いと思いますし、
いいことだっていっぱいあると思いますが、
もしそこに不満があるのなら、勇気ある一歩を踏み出して
楽しい人生を送れるようになる人が増えればいいなぁ〜。